一水四見
ある日君に電話をして「いまどこにいるの?」と聞いた
君は僕にこう答えた「いま海を眺めています」
その日魚さんにも聞いた「君はいまどこにいるの?」
魚さんはこう答えた「いま僕のおうちにいるよ」
ついでに鳥さんにも聞いた「君はいまどこにいるの?」
鳥さんはこう答えた「いま食堂に」
最後に仏さまに聞いた「いまどこにいますか?」
仏さまはこう答えた「いま宝石を見ています」
誰もが自分が正しいと思って生きているけど
育った環境が違うんだ 違うのはあたりまえさ
君と僕とはこれからも交わることはないけど
それでも君を受け入れようと思うことが大切さ
誰かを変えようとしたとき苦しみが生まれるのさ
自分が変わろうとしたときに安らぎが生まれるのさ
君は海にいると言った 魚はおうちと言った
鳥は食堂にいると言った 仏は宝石と言った